1. |
天と地を創造し,陪黒と光明を定められる,アッラーを讃える。だが信じない者は,かれらの主と(外のものを)同位に置く |
2. |
かれこそは,泥から,あなたがたを創り,次いで(生存の)期間を定められた方である。一定(の期間)が,かれの御許に定められている。それでもあなたがたは疑うのか。
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3. |
かれこそは天にあっても,地でもアッラーであられる。かれはあなたがたの隠すことも,現わすことも知っておられる。またかれはあなたがたの,働いて得たもの(の応報)をも知っておられる。
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4. |
かれらは主から如何なる印を(西?)されても必ずそれから顔を背けてしまう。
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5. |
真理(クルアーン)がかれらの許に来ると,かれらは常にそれを虚偽であるとした。だがかれらの嘲笑する御告げが,間もなく(事実となって)かれらの許に来るであろう。
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6. |
われはかれら以前に,次から次に幾世代も滅ぼしたかを,あなたがたは考えないのか。われは地上でかれらを代々安住させ,あなたがたにすらしなかったものを与えた。われは,かれらの上に雲を送り(雨を)注ぎ降らせ,その足許に川を流れさせた。だが凡ての罪のためにかれらを滅ぼし,その跡に外の世代を出現させた。
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7. |
仮令われがあなたに紙上に(書いた)啓典を下し,かれらが自分の手でそれに触れても,不信心な者はきっと,「これは明らかに魔術に過ぎない。」と言う。
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8. |
かれらはまた言う。「何故天使が,かれに遺されないのか。」もしわれが天使を遺したならば,事は直ちに決定されて,かれらは猶予されなかったであろう。
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9. |
仮令われがかれ(使徒)を天使としても,必ず人間の姿をさせ,(今)かれらが惑うように,きっと惑わせたであろう。
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10. |
あなた以前の使徒たちも,確かに嘲笑されていた。だが嘲笑したものは,その嘲笑していたこと(懲罰)に取り囲まれるであろう。
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11. |
言ってやるがいい。(ムハンマドよ。)「地上を旅して,真理を拒否した者の最後が,どうであったかを見なさい。」
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12. |
言ってやるがいい。「天と地にある凡てのものは,誰の有であるのか。」言ってやるがいい。「アッラーの有である。かれは慈悲を御自分の動となされる。審判の日には,必ずあなたがたを召集されよう。それに疑いの余地はないのである。」だが自分の魂を滅ぼしてしまった者は,信じないであろう。
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13. |
夜と昼とに住む凡てのものは,かれの有である。かれは,全聴にして全知であられる。
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14. |
言ってやるがいい。「わたしは,アッラー以外の加護をどうして求めるだろうか。かれは天と地の創造者で,(すべてを)養い,(誰からも)養われない」言ってやるがいい。「わたしは(かれに)服従,帰依する者の先き駆けとなり,『多神教徒の仲間となってはならない』と命じられた。」
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15. |
言ってやるがいい。「わたしがもし主に背くならば,偉大な日の懲罰が本当に恐ろしい。」
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16. |
その日(懲罰を)免れる者には,必ず慈悲を与えられる。それは明らかに至上の幸福の成就である。
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17. |
もしアッラーが,あなたを災厄で害されれば,かれの外にこれを除くものはない。もしかれが,あなたに幸福を届けられれば,本当にかれは凡てのことに全能てあられる。
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18. |
かれは,そのしもべたちの上におられる至高者であり,かれは英明にして全知であられる。
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19. |
言ってやるがいい。「立証において,最も重要なことは何であるか。」言ってやるがいい。「アッラーは,わたしとあなたがたとの間の立証者であられる。このクルアーンが,わたしに啓示されたのは,わたしがあなたがたそして届く限りの者に,それによって警告するためである。あなたがたは(アッラーの外に)他の神があることを,証言出来るのか。」言ってやるがいい。「わたしは証言することは出来ない。」言ってやるがいい。「本当にかれは唯一の神であられる。わたしは,あなたがたが信仰するものとは全く別の存巧である。」
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20. |
われが啓典を授けた者たちは,自分の子を認めるようにこれを認める。だが,自分の魂を滅ぼした者は信じない。
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21. |
アッラーに就いて虚偽を作り上げ,またはその印を拒否するより,甚だしい不義があろうか。本当に不義を行う者は決して成功しないであろう。
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22. |
われが一斉にかれらを召集する日,邪神を信仰した者たちに(問うて)言う。「あなたがたが言い張っていた,仲間(邪神ども)はどこにいるのか。」
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23. |
その時かれらは,こう言う外にロ実はないであろう。「わたしたちの主,アッラーにかけて誓います。わたしたちは決して外の神々を信仰した者ではありません。」
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24. |
見なさい。如何にかれらが自らを欺くか。またかれらの虚構したものが,かれらを迷わせたかを。
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25. |
かれらの中には,あなたに耳を傾ける者もあるが,われはかれらの心に覆いをしたので,これ(クルアーン)を理解しない。またその耳を的くした。だからかれらは仮令各種の印を見ても,これを信じない。そしてかれらがあなたの許にやって来るのは,議論するため(だけ)である。信じない者たちは,「これは昔の物語に過ぎないのです。」と言う。
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26. |
かれらは外の者をそれから遠ざけ,また自分たちもこれを避ける。だがかれらは自ら自分の魂を傷つけるだけで,自分はそれに気付かない。
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27. |
あなたがもし,かれらが火獄の前に立たされる姿を見たらどうであろう。その時かれらは言う。「ああ,わたしたちがもし送り帰されるならば,決して主の印を拒否しないで,必ず信仰するでしょうに。」
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28. |
いや,かれらが今まで隠していたものが,(今)自分たちの前に明らかになったに過ぎない。それでかれらが仮命(再び)戻されても,かれらは必ず禁じられたことを繰り返すであろう。かれらは本当に虚言の徒である。
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29. |
かれらは言う。「この世の生があるだけで,再び甦るなどということはないのです。」
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30. |
あなたがもし,かれらが主と向かい合って立たされる時を見たらどうであろう。その時(主は)仰せられるであろう。「これは真実ではないか。」かれらは言う。「そうです。主にかけて(誓って)。」かれは仰せられよう。「あなたがたは,信仰を拒否したために懲罰を味わいなさい。」
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31. |
アッラーに会うことを虚偽であるとする者は,確かに失敗者である。その時が突然来れば,かれらは言う。「ああ,悲しい,わたしたちは何と疎かなことをしたことか。」かれらは背に自分の重荷を負っている。ああ,かれらの負う重荷こそ災いである。
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32. |
現世の生活は,遊びか戯れに過ぎない。だが主を畏れる者には,来世の住まいこそ最も優れている。あなたがたは悟らないのか。
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33. |
われはかれらの言葉が,あなたを如何に悲しませるかを知っている。かれらが虚言の徒とするのは,あなたではない。不義者たちは,専らアッラーの印を否定しているだけ。
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34. |
あなた以前にも,使徒たちは虚言の徒と呼ばれた。それでわれの救助を得るまで,かれらは拒否と迫害を耐え忍んだ。誰にもアッラーの御言葉を変えることは出来ない。使徒たちに関する一部の消息は,既にあなたに伝えられたのである。
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35. |
もしかれらが反抗して去るのがあなたに酪く苦痛ならば,あなたに出来るなら,地にトンネルを掘り,または天に梯をかけて,かれらに印を現わせ。アッラーが御好・になるならば,(正しい)導きの上にかれらを集められる。それであなたは,無知な者の仲間となってはならない。
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36. |
耳を傾ける者だけ,呼びかけに答えるであろう。(あえて聞かない) 死者は,アッラーがこれを甦らせ,それからかれの御許に帰らせられる。
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37. |
かれらは言う。「何故かれに,主から印が下されないのであろうか。」言ってやるがいい。「アッラーは,確かに印を下す御力を持っておられる。だがかれらの多くは,理解しないのである。」
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38. |
地上の生きとし生けるものも,双翼で飛ぶ鳥も,あなたがたのように共同体の同類でないものはない。啓典の中には一事でも,われが疎かにしたものはない。やがて・なかれらの主の御許に召集されるのである。
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39. |
わが印を拒否する者は,暗黒の中で耳が聞こえない者,ものを言えない者である。アッラーは,御望・の者を迷うに任せ,また御望・の者を正しい道につかせられる。
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40. |
言ってやるがいい。「あなたがた自身考えて・なさい。もしアッラーの懲罰があなたがたに下り,または(死の)時があなたがたに訪れたならば,アッラー以外のものを呼ぶのか。あなたがたが本当のことを言っているとすれば。」
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41. |
「いや,あなたがたは,かれだけを呼ぶであろう。もしかれの御心があれば,あなたがたがかれに祈ったことによって,(その災厄を)除かれよう。その時あなたがたは,信仰していた邪なものを忘れるであろう。」
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42. |
われは,あなた以前の各民族にも(使徒たちを)遣し,人々が謙虚になるよう,不幸と災厄で人々を懲らしめた。
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43. |
わが災厄がかれらに下った時,何故謙虚でなかったのであろうか。かれらの心はかえって頑固になり,悪魔はかれらに対し自分たちの行ったことを立派であると思わせた。
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44. |
それでかれらが,自分たちに授けられた訓戒を忘れた時,われは凡ての(良い)ことの門をかれらのために開いた。かれらがその与えられたものに歓喜していた時,われは突然襲ってやった。見なさい,かれらは絶望に陥ってしまった。
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45. |
こうして不義を行った民の子孫は,絶えてしまった。万有の主,アッラーに讃えあれ。
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46. |
言ってやるがいい。「あなたがたは考えなかったのか。アッラーが,もしあなたがたの視覚や聴覚を奪い。また心を封じられれば,アッラーの外にどの神がそれをあなたがたに返し授けられるかを。」見なさい。われは如何に印を繰り返したか,それでもかれらは背き去った。
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47. |
言ってやるがいい。「あなたがたは考えて・なさい。仮令アッラーの懲罰が,突然にまた公然と来ても,不義の民の外,誰が滅ぼされようか。」
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48. |
われは,吉報の伝達者か警告者の外には,使徒を遣さない。だから信仰して身を修める者には,恐れもなく憂いもないであろう。
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49. |
だがわが印を虚偽であるとする者は,その背いていたことに対し処罰されるであろう。
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50. |
(不信者に)言ってやるがいい。「アッラーの宝物がわたしの手にあるとは,あなたがたに言わない。またわたしは,幽玄界に就いても知らない。またわたしは天使であるとも言わない。わたしは,只わたしに啓示されたことに従うだけである。」言ってやるがいい。「盲人と正常の目の人とは同じであろうか。それでもあなたがたは反省しないのか。」
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51. |
あなたは主に召されることを恐れる者に,それ(クルアーン)によって警告しなさい。かれの外にかれらを愛護するものも,執り成すものもないのである。恐らくかれらは主を畏れるであろう。
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52. |
主の御喜びを求めて,朝夕,かれに祈る者を追放してはならない。かれらの(善悪の)清算は,少しもあなたの任ではなく,あなたの清算は,少しもかれらの任ではない。それで,あなたがかれらを追放するならば,あなたは不義の徒となるであろう。
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53. |
このようにわれは,かれらのある者で外を試・る。それはかれらに,「アッラーが恩恵を与える者は,わたしたちの中の,これらの人びとですか。」と言わせるためである。本当に感謝する者を,最もよく知る方はアッラーではないか。
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54. |
わが印を信じる者があなたの許に来たならば,言ってやるがいい。「あなたがたに平安あれ。あなたがたの主は,慈悲を御自分の務めとされる。それであなたがたの中,無知で悪事を行った者も,悔悟してその身を修めるならば(許される),本当にかれは寛容にして慈悲深くあられる。」
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55. |
このようにわれは,印を詳細にわたって解明した。これは罪を犯す者の辿る道を明示するためである。
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56. |
言ってやるがいい。「わたしはあなたがたが祈っているアッラー以外のものに仕えることを禁じられたのだ。」言ってやるがいい。「わたしは,あなたがたの虚しい望・に従わない。そうなれば,わたしは迷ってしまって,(正しく)導かれない。」
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57. |
言ってやるがいい。「わたしは主からの明証の上に(立つ者で)あるが,あなたがたはそれを虚偽であるとした。あなたがたが急ぐこと(懲罰)は,わたしに出来ることではない。裁決はアッラーにだけ属する。かれは真実を説かれ,最も優れた裁決者であられる。」
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58. |
言ってやるがいい。「もしあなたがたの急ぐこと(懲罰)が,わたしの手中にあるならば,事はわたしとあなたがたとの間で,直ぐ決定されよう。だがアッラーは,不義を行う者を最もよく知っておられる。
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59. |
幽玄界の鍵はかれの御許にあり,かれの外には誰もこれを知らない。かれは陸と海にある凡てのものを知っておられる。一枚の木の葉でも,かれがそれを知らずに落ちることはなく,また大地の暗闇の中の一粒の穀物でも,生気があるのか,または枯れているのか,明瞭な天の書の中にないものはないのである。
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60. |
かれこそは,夜間あなたがたの魂を召される方で,あなたがたが昼間行ったことを知っておられる。またかれは昼間,あなたがたを目覚めさせ,定められた(あなたがたの生活の)期間を全うなされる。それからあなたがたはかれの御許に帰ろ。その時かれは,あなたがたに自分が行ったことを告げ知らせる。
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61. |
かれは,しもべたちの上に権能をもつ方であられ,あなたがたに保護者(の天使)を遣される。死があなたがたの1人に臨む時,われが遣したもの(天使)たちは,それ(魂)を取り上げる。かれら(天使たち)は,(わが命令に)怠慢ではない。
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62. |
それからかれらは,真の主,アッラーに戻される。裁決はかれがなされるのではないか。かれは清算する際は極めて速い御方であられる。」
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63. |
言ってやるがいい。「陸と海の暗闇の中から,あなたがたを救うのは誰か。あなたがたは心虚しく,畏れかしこんでかれに祈る。『あなたがもし,これからわたしたちを御救いになれば,わたしたちは必ず感謝を捧げる。』と。」
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64. |
言ってやるがいい。「アッラーはあなたがたをこの事から,また凡ての苦悩から御救いになられる。だがあなたがたは,邪なものを崇拝する。」
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65. |
言ってやるがいい。「かれはあなたがたの上から,また足許から,懲罰を下すことが出来,またあなたがたを仲間割れさせて混乱に陥らせ,またある者に,外の暴虐を味わわせることも出来る。」われは,如何に印を示すかを見なさい。恐らくかれらは会得するであろう。
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66. |
これは真理であるが,あなたの民は虚偽であるとした。言ってやるがいい。「わたしは,あなたがたの後見人ではない。」
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67. |
「それぞれの御告げには,それぞれ一定の期限がある。間もなくあなたがたはそれを知るであろう。」
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68. |
わが啓示に就いて無駄なことに耽る者を見たならば,かれらが外の話題に変えるまで遠ざかれ。仮令悪魔があなたに忘れさせても,気付いた後は不義の民と同席してはならない。
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69. |
主を畏れる者には,かれら不義の徒の清算に就いて少しも責任はない。だが念のため訓戒しておく,恐らくかれらは主を畏れるであろう。
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70. |
自分の教えを,遊びや戯れとする者と,現世の生活に欺かれている者たちは,放っておきなさい。そして各人はその行いによって,自ら破滅に陥ることをそれで訓戒しなさい。アッラーの外には,どんな守護者も執り成す者もない。凡ての代償を提出しても,受け入れられないであろう。これらの者は自分の行ったことによって滅び,主を拒否したために煮えたった湯を飲・,また痛烈な懲罰を受けるであろう。
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71. |
言ってやるがいい。「わたしたちはアッラーの外に,わたしたちに益もなく害もないものに祈れようか。わたしたちは一度アッラーに導かれた後に,地上で悪魔の誘惑に迷わされた者のように,わたしたちの踵を返せるであろうか。かれには(よい)仲間たちがいて,『わたしたちのもとに来なさい』と正しい道に招いているではないか」言ってやるがいい。「アッラーの導きこそ(真の)導きである。わたしたちは,万有の主に服従,帰依しなさいと命じられている。」
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72. |
「また『礼拝の務めを守り,かれを畏れなさい。かれこそはあなたがたを御許に召集なされる方であられる。』(と命じられている。)」
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73. |
またかれこそは真理をもって,天と地を創造された方であられる。その日は,かれが「有れ」と仰せになれば,即ち有るのである。かれの言葉は真実である。ラッパが吹かれる日,大権はかれに属する。かれは幽玄界も現象界をも知っておられる。かれは英明にして凡てに通暁しておられる。
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74. |
イブラーヒームがその父アーザルに,こう言った時を思え。「あなたは偶像を神々となさるのか。本当にあなたとあなたの民は,明らかに誤っていると思う。」
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75. |
われはこのように,天と地の王国をイブラーヒームに示し,かれを全く迷いのない信者にしようとしたのである。
|
76. |
夜(の暗闇)がかれを覆う時,かれは一つの星を見た。かれは言った。「これがわたしの主です。」だが星が沈むと,かれは言った。「わたしは沈むものを好・ません。」
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77. |
次いでかれは月が昇るのを見て,言った。「これがわたしの主です。」だがそれが沈むと,かれは言った。「わたしの主がわたしを導かれなかったら,わたしはきっと迷った民の仲間になったでしょう。」
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78. |
次いでかれは太陽が昇るのを見て,言った。「これがわたしの主です。これは偉大です。」だがそれが沈むと,かれは言った。「わたしの人びとよ,わたしはあなたがたが,崇拝する者と絶縁します。
|
79. |
わたしは天と地を創られた方にわたしの顔を向けて,純正に信仰します。わたしは多神教徒の仲間ではない。」
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80. |
だがかれの人びとは,反論した。かれは言った。「あなたがたはアッラーに就いて,わたしと論議するのか。かれは確かにわたしを御導き下された。わたしはあなたがたが,かれと並べて崇めるものを,少しも畏れない。わたしの主が御望・にならない限りは(何事も起こり得ない)。わたしの主は凡てを,御知識の中に包含なされる。あなたがたは留意しないのか。
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81. |
わたしがどうして,あなたがたの崇拝するものを畏れようか。かれが何の権能も授けられないものを,あなたがたは恐れずにアッラーに並べて崇めているではないか。それで両群(一神教と多神教)のどちらが,もっと平安を得るに値するのか。あなたがたがもし知っているなら(答えなさい)。
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82. |
信仰して,自分の信心に不義を混じえない者,これらの者は安全であり,(正しく)導かれる者である。」
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83. |
これはわれがイブラーヒームに授け,その民を説得するために述べた確証であった。われは嘉する者の(英知や徳性の)階位を高める。誠にあなたの主は英明にして全知であられる。
|
84. |
われはかれ(イブラーヒーム)に(子)イスハークと(孫)ヤアコーブを授けて,それぞれ導いた。先にヌーフも導いた。またかれ(イブラーヒーム)の子孫の中には,ダーウードと,スライマーン,アイユーブ,ユースフ, ムーサー,ハールーンがいる。われはこのように善い行いをする者に報いる。
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85. |
またザカリーヤー,ヤヒヤー,イーサーとイルヤースがいる。それぞれ・な正義の徒であった。
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86. |
またイスマーイール,アル・ヤサア,ユーヌスとル―トがいる。われはかれらを,皆世に秀でた者とした。
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87. |
またかれらの祖先と子孫と兄弟の中,われはかれら(のある者)を選んで正しい道に導いた。
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88. |
これはアッラーの導きであり,かれはそのしもベの中から,御好・になられる者を導かれる。もしかれらが(神々をかれと)並べたならば,凡ての行いは,かれらにとって,虚しいものとなろう。
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89. |
これらの者はわれが,啓典と識見と預言の天分を授けた者である。それでもしかれらがこれを信じないならば,われはこれらを拒否しない(別の)者にこれを委ねるであろう。
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90. |
これらの者は,アッラーが導かれた者であるから,かれらの導きに従いなさい。言ってやるがいい。「わたしはこのために,どんな報酬もあなたがたに求めない。これは只諸民族に対して(アッラーの真意を)思い起させるだけである。」
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91. |
かれらが「アッラーは人間に何も(啓示を)下されていない。」と言うのは,アッラーを尊崇すべきように,尊崇していないからである。言ってやるがいい。「ムーサーが(湾?)した,人間にたいする光明と導きの啓典を,下したのは誰か。あなたがたはそれを紙に書いて,それ(のあるもの)を示すが,多くを隠すではないか。あなたがたもあなたがたの祖先たちも知らなかったことを,教えられたではないか。」言ってやるがいい。「アッラーであられる。」だから放って置け,かれらには空論で遊戯に耽らせておきなさい。
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92. |
これはわれが下した祝福された啓典で,以前に下したものを確証し,また諸都市の母(マッカ)とその周辺に,あなたが警告するためである。来世を信じる者は,かれらの礼拝を守りそれを信仰するであろう。
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93. |
アッラーについて,虚偽を作り上げる以上に,不義を行う者があろうか。また何も啓示を受けないのに「わたしに,啓示が下った。」と言う者。あるいは「わたしはアッラーが下されたのと,似たものを下せる。」と言う者(以上に不義者があろうか)。これらの不義の徒が,末期の痛苦の中で,天使たちが手を差し出して,「あなたがたの魂を渡せ。あなたがたはアッラーに就いて,真実ではないことを言ったりその印にたいして倣慢な態度をとってきたりしたことに,恥ずべき懲罰を載くのだ。」と言う時の姿をあなた(ムハンマド)に見せてやりたいものである。
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94. |
(復活の日にかれらはこう言われるであろう。)「まさにあなたがたは,われが最初あなたがたを創った時のように,一人々々われの許に来た。われがあなたがたに与えていたものを,凡て背後に残してきた。われはあなたがたが主の同位者と主張していたその執り成す者もあなたがたと一緒に見えてはいない。今あなたがたの間の絆は断たれ,あなたがたの主張していたものも離れ去った。」
|
95. |
穀粒や堅い種子を裂き開くのは,本当にアッラーである。かれは死から生を(湾?)し,また生から死を(宙?)される。それがアッラーである。どうしてあなたがたは背き去るのか。
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96. |
かれは,夜明を打ち開く方であり,また休息のために夜を定め,太陽と月を計算のために置かれる。それが,偉力ならびなく全知であられる方の摂理である。
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97. |
かれこそは,あなたがたのため群星を置かれた方で,あなたがたはそれによって,暗黒の陸でも海でも(正しい道に)導かれる。われは知識ある人びとに印の特恵を与えている。
|
98. |
かれこそは,1人からあなたがたを創られた方で,(あなたがたのために)安任と寄留の所を(定められた)。われは理解ある人びとにわが印の特恵を与えている。
|
99. |
かれこそは,雨を天から降らす方である。われはこれをもって凡てのもの(植物)の芽を萌え出させ,次に新緑(の群葉)を出させ,悠々と穀物を実らせる。またナツメヤシの莢から,(重く)垂れ下がった房(を生え出させ),またブドウ,オリーブ,ザクロ等,同類異種の果樹(を育てる)。その呆実が結び,そして成熟するのを観察しなさい。その中には本当に信仰する人々への印がある。
|
100. |
かれらは幽精〔ジン〕をアッラーと同位に置く。だがかれら(幽精)はかれが創られたもの。またかれら(不信者)は知識もなく,愚かにもかれに男児や女児があるとする。かれに讃えあれ。かれはかれらが同列にするものの上に,高くおいでになられる。
|
101. |
かれは天と地の創造者であられる。かれには配偶もないのに,どうして子を持つことが出来ようか。かれは万有を創られた。かれは凡てのことを知っておられる。
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102. |
それがアッラー,あなたがたの主である。かれの外に神はないのである。凡てのものの創造者である。だからかれに仕えなさい。かれは凡てのことを管理なされる。
|
103. |
視覚ではかれを捉えることはできない。だがかれは視覚そのものさえ捉える。またかれはすべてのことを熟知され,配慮されておられる。
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104. |
本当に明証が,あなたがたの主から下ったのである。だから目を開く者は自分の魂を益し,目を閉ざす者は自分の魂を傷つける。わたしはあなたがたが行っていることの見張り人ではない。
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105. |
われはこのように印を提示する。これはかれらが,「あなたは,克明に教えられた。」と言い,また知識ある人々にそれを解明するためである。
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106. |
主からあなたに啓示されたものに従え。かれの外に神はないのである。あなたは多神教徒から遠ざかりなさい。
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107. |
もしアッラーの御心があれば,かれらはかれ以外を崇拝しなかったであろう。われは,かれらの行為の監視をあなたに委ない。あなたはかれらの後見人でもない。
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108. |
あなたがたは,かれらがアッラーを差し置いて祈っているものを謗ってはならない。無知のために,乱りにアッラーを謗らせないためである。われはこのようにして,それぞれの民族〔ウンマ〕に,自分の行うことを立派だと思わせて置いた。それからかれらは主に帰る。その時かれは,かれらにその行ったことを告げ知らされる。
|
109. |
かれらは,非常に厳かにアッラーにかけて誓い,「もし印がかれらに下るならば,必ずそれを信仰するのに。」と言う。言ってやるがいい。「すべての印は,ただアッラーの御許にある」。だが,たとえ印が来ても,かれらが信じないことを,どのようにしてあなたがたに分からせようか。
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110. |
かれらが最初これを信じなかった時のように,われはかれらの心と目を混乱させて,かれらの反逆を放任し,当てもなくさ迷わせるであろう。
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111. |
仮令われが,かれらの天使たちを遣し,また死者がかれらに語りかけ,また凡てのものを,かれらの前に集めても,もしアッラーが御好・にならない限り,かれらはきつと信じないであろう。全くかれらの多くは,無知なのである。
|
112. |
こうしてわれは,どの預言者にも一つの敵を作った。それは,人間とジンの中の悪魔であって,そのある者が他を感激させ,はなやかな言葉で,唆し騙している。主の御心でないならば,かれらはそうしなかったであろう。だからかれらのその虚偽を放って置きなさい。
|
113. |
来世を信じない者の心をそれに傾かせてかれらをそれで喜ばせ,その行っていることに満足させるためである。
|
114. |
(言ってやるがいい。)「どうしてわたしがアッラー以外に裁きを求めようか。かれこそは,詳細に説明された啓典を,あなたがたに下された方ではないか。」われが啓典を授けた程の者ならば,それがあなたの主から,真理によって下されたことを知っている。だからあなたは疑う者の仲間になってはならない。
|
115. |
あなたの主の言葉は,真実公正に完成された。誰もかれの言葉を変えることは出来ない。かれは全聴にして全知であられる。
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116. |
あなたがもし地上の多くの者に従うならば,かれらはアッラーの道からあなたを迷わすであろう。かれらは只臆測に任せて,虚言をこととするに過ぎない。
|
117. |
本当にあなたの主は,かれの道から迷い去った者を最もよく知っておられる。また正しく導かれた者を最もよく知っておられる。
|
118. |
だからあなたがたが,もしアッラーの啓示を信じるならば,かれの御名が唱えられたものを食べなさい。
|
119. |
あなたがたは,アッラーの御名が唱えられたものを,どうして食べないのか。かれは,あなたがたに禁じられるものを,明示されたではないか。だが,止むを得ない場合は別である。本当に多くの者は,知識もなく気まぐれから(人びとを)迷わす。あなたの主は,反逆者を最もよく知っておられる。
|
120. |
公然の罪も内密の罪も避けなさい。本当に罪を犯した者は,その行ったことに対し報いを受けるであろう。
|
121. |
またアッラーの御名が唱えられなかったものを食べてはならない。それは実に不義な行いである。しかし悪魔は,自分の友を唆し,あなたがたと議論させようとする。あなたがたがもしかれらに従うならば,あなたがたは正に多神教徒である。
|
122. |
死んでいたものに,われは生命を授け,また光明を与える。これによって人びとの間を往来する者と,暗黒の中にあってそれから出られないような者と同じであろうか。このように不信者には,その行っていたことを立派だと思わせるのである。
|
123. |
このようにわれは,それぞれの町の有力者を罪深い者にして,そこで策謀させる。しかしかれらは自分自身に対して策謀するだけで,それに自ら気付かない。
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124. |
(主から)一つの印がかれらにやって来れば,「アッラーの使徒たちに与えられたようなものが,わたしたちに下るまでは信じないであろう。」と言う。アッラーは何処で(また如何に)かれの使命を果たすべきかを,最もよく知っておられる。やがて罪深い者は,その(しでかした)凡ての策謀に対して,アッラーの御許で屈辱と痛烈な刑を受けるであろう。
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125. |
凡そアッラーが導こうと御望・になった者は,イスラームのためにその胸を開く。だが迷うに任せようと御考えになった者には,その胸をまるで天に登ろうとするかのようにしめせばめる(もがき苦しめる)。このようにアッラーは,信仰を拒否する者に恥辱を加えられた。
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126. |
これがあなたの主の道,正しい道である。われは訓戒を受け入れようとする民のために,印を詳細に示す。
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127. |
かれらは,主の御許に平安な住まいを得る。かれは,かれらの行った(正しい行いの)ためにかれらの保護者となられる。
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128. |
かれが一斉にかれらを召集される日,(主は)「ジンの方々よ,あなたがたは人びとの多くを惑わせたのである。」(と仰せられよう。)人びとの中,かれら(ジン)の友がいて言う。「主よ,あたしたちは栗いに利用し合いましたが,あなたがわたしたちに定められた期限が到来しました。」かれは仰せられよう。「業火があなたがたの住まいである。」アッラーの御好・になる限り,永遠にその中に住むであろう。本当にあなたの主は英明にして全知であられる。
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129. |
このようにわれは,かれらが行ったことのために,不義の徒は不義の徒同志で近寄らせる。
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130. |
「ジンと人間の方々よ,あなたがたの間から挙られた使徒たちが,あなたがたの許に来て,わが印をあなたがたのもとに復唱し,あなたがたのこの日の会見に就いて,警告しなかったのか。」かれらは申し上げるであろう。「わたしたちは,自分の意に反し証言いたします。」本当に現世の生活がかられを感わせ,自分が不信者であったことを,自分の意に反して証言する。
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131. |
これはあなたの主がその民の(犯した不義を自ら)意識しない中に,乱りに町を滅ぼされないためである。
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132. |
各人にはその行ったことに応じて,種々の等級があろう。あなたの主は,かれらの行ったことを見逃しになさらない。
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133. |
あなたの主は満ち足られる御方,慈悲深き主であられる。もしかれが御好・になられるならば,あなたがたを追放することも出采,御心に適う者にあなたがたを継がせられる。丁度外の民の子孫から,あなたがたを興されたように。
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134. |
本当にあなたがたに約束されたことは必ず到来する。あなたがたは(それを)逃がれることは出来ない。
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135. |
言ってやるがいい。「わたしの人びとよ,あなたがたの仕方で行いなさい。わたしもまた(わたしの務めを)行う。あなたがたはこの終局の住まいが,誰のものかをやがて知ろう。不義を行う者は,決して成功しないであろう。」
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136. |
かれらは,アッラーが創られた穀物と家畜の一部分を勝手な空想によって(供えて),「これはアッラーに,そしてこれはわたしたちの神々に。」と言う。だが神々に供えたものはアッラーには達しない。そしてアッラーに供えたものが,かれらの神々に達する。かれらの判断こそ災いである。
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137. |
こうしてかれらの神々は,多くの多神教徒を魅了してかれらの子女を殺すようにしむけた。これはかれらを滅ぼし,また人々の宗教を混乱させるためである。もしアッラーの御心があれば,かれらはそうしなかったであろう。だからかれらとその捏造したものを放って置け。
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138. |
またかれらは「これこれの家畜と穀物は禁じられる。わたしたちが許す者の外に,誰も食べることは出来ない。」などとかれらの勝手な決断により,背中が禁忌になっている家蓄,また(屠殺にさいし)それに,アッラーの御名を唱えない家畜などと(捏造して)言う。(これらは凡て)かれに対する捏造である。かれはこの捏造に照らし,やがて報われるであろう。
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139. |
またかれらは言う。「この家畜の胎内にあるものは,わたしたち男の専用であり,わたしたちの女には禁じられる。だが死産の場合は,誰でも皆それにあずかれる。」かれは,かれらの虚構に対しやがて報われる。本当にかれは英明にして全知であられる。
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140. |
無知のため愚かにもその女児を殺し,アッラーがかれらに与えられたものを禁じ,またアッラーに対し捏造する者たちは,正に失敗者である。かれらは確かに迷った者で,正しく導かれない。
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141. |
かれこそは棚を備えた果樹園,また棚のない果樹園を創られる御方であり,またナツメヤシや様々な味の異なった農作物,とオリーブ,ザクロその外同類異種のものをも(創られた御方である)。実が熟したならば食べなさい。収穫の日には,定めの喜捨を供出し,浪費してはならない。本当にかれは,浪費の徒を御愛でになられない。
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142. |
また,家畜のあるものは荷を負い,あるものは食用である。アッラーがあなたがたに与えるものを食べ,悪魔の歩・に従ってはならない。かれはあなたがたにとって,公然の敵である。
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143. |
羊2対とヤギ2対からなる8頭の雌雄。言ってやるがいい。「かれは,2雄または2雌,と2雌の胎内にあるものの,どれを禁じられたのか。あなたがたが誠実ならは,知っているところをわたしに告げなさい。」
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144. |
また,ラクダ2対と牛2対。言ってやるがいい。「かれは,2雄または2雌,と2雌の胎内にあるもののどれを,禁じられたのか。アッラーがこれをあなたがたに命じられる時,あなたがたはその場にいたのか。知識もなく人を迷わせるために,アッラーに就いて虚偽を捏造するより,甚たしい不義があろうか。誠にアッラーは,不義を行う民を導かれない。」
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145. |
言ってやるがいい。「わたしに啓示されたものには,食べ度いのに食べることを禁じられたものはない。只死肉,流れ出る血,豚肉――それは不浄である――とアッラー以外の名が唱えられたものは除かれる。だが止むを得ず,また違犯の意思なく法を越えないものは,本当にあなたの主は,寛容にして慈悲深くあられる。」
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146. |
ユダヤの(法に従う)者には,われは凡ての爪のある動物を禁じ,また牛と羊は,その脂を禁じた。只背と内臓に付着し,または骨に連なった脂は,別である。これは,かれらの不正行為に対する応報で,われは本当に真実である。
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147. |
それでもかれらがあなたを虚言者であるとするなら,言ってやるがいい。「あなたがたの主は慈悲深い主で,凡てを包容なされる方である。だが不義の民は,かれの懲罰は免れられない。」
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148. |
(アッラー以外に神々を) 崇拝する者は言うであろう。「アッラーが御好・になられるならば,わたしたちも祖先も(他の神々を)崇めず,また何も禁じなかったであろうに。」このようにかれら以前の者も,われの懲罰を味わうまでは(真理)を信しなかった。言ってやるがいい。「あなたがたは,果たして知識があるのか。それならわたしたちに現わせ。あなたがたは,只臆測に従うだけ。本当にあなたがたは,真実ではないことを言うに過ぎない。」
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149. |
言ってやるがいい。「最後の論証は,アッラーに属する。かれが御好・になられるならば,あなたがたを一勢に導かれたであろう。」
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150. |
言ってやろがいい。「アッラーはこれを禁じられたと証言出来る,あなたがたの証人を連れて来なさい。」仮令かれらが証言しても,あなたはかれらと一緒に証言してはならない。またわが印を偽りであるとする者の,虚しい要望に従ってはならない。かれらは来世を信じないで,またかれらの主に同位のものを配する者たちである。
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151. |
言ってやるがいい。「さて,わたしは主があなたがたに対し禁じられたことを,読誦しよう。かれに何ものでも同位者を配してはならない。両親に孝行であれ。困窮するのを恐れて,あなたがたの子女を殺してはならない。われは,あなたがたもかれらをも養うものである。また公けでも隠れていても,醜い事に近付いてはならない。また,アッラーが神聖化された生命を,権利のため以外には殺害してはならない。このようにかれは命じられた。恐らくあなたがたは理解するであろう。
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152. |
孤児が成人に達するまでは,最善の管理のための外,あなたがたはその財産に近付いてはならない。また十分に計上し正しく量れ。われは誰にもその能力以上のことを負わせない。またあなたがたが発言する時は,仮令近親(の間柄)でも公正であれ。そしてアッラーとの約束を果しなさい。このようにかれは命じられた。恐らくあなたがたは留意するであろう。
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153. |
本当にこれはわれの正しい道である,それに従いなさい。(外の)道に従ってはならない。それらはかれの道からあなたがたを離れ去らせよう。このようにかれは命じられる。恐らくあなたがたは主を畏れるであろう。」
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154. |
以前,われはムーサーに啓典を授けた。これは善行をする者に対する完全,無欠の啓典であり,凡てのことを詳細に解明し,導きであり, 慈悲である。恐らくかれらは,主との会見を信じるであろう。
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155. |
だがこれ(クルアーン)は,われが下した祝福された啓典である。だからこれに従って,あなたがたの義務を尽くしなさい。恐らくあなたは,慈悲に浴するであろう。
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156. |
(これは,)あなたがたに,「啓典はわたしたち以前に,唯二つの宗派にだけ下された。わたしたちはかれらの読むものに,不案内であった」と言わせないためである。
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157. |
またあなたがたに「もしわたしたちに啓典が下されたならば,きっとかれらよりもよく導きに従ったであろうに。」と言わせないためである。今あなたがたの主からの明証,と導きと慈悲とが正に(湾?)されている。それでもアッラーの印を偽りであるとして,それから背き去る以上に甚しい不義の徒があろうか。わが印から背き去った者を,われはやがて背き去ったことのために,厳しい懲罰で報いるであろう。
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158. |
かれらは,只天使たちがやって来るのを待つのか,または主が隠まれるか,または(審判の日の接近を知る)主の印の一部がやって来るのを待つばかりである。主の何らかの印がやって来る日,前もって信仰して善行に励んでいない限り,かれらの信仰が魂に役だつことはないであろう。言ってやるがいい。「あなたがたは待て。わたしも待つものである。」
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159. |
かれらの教えから離れて分派した者に就いては,あなたは少しも関わりはない。かれらのことは,アッラーの御手に委ねよ。かれはその行ったことを,間もなくかれらに告げ知らせられる。
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160. |
善いことを行う者は,それと同じようなものを10倍にして頂ける。だが悪いことを行う者には,それと等しい応報だけで,かれらは不当に扱われることはないであろう。
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161. |
言ってやるがいい。「本当に主は,わたしを正しい道,真実の教え,純正なイブラーヒームの信仰に導かれる。かれは多神教徒の仲間ではなかった。」
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162. |
(祈って) 言ってやるがいい。「わたしの礼拝と奉仕,わたしの生と死は,万有の主,アッラーのためである。
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163. |
かれに同位者はありません。このように命じられたわたしは,ムスリムの先き駆けである。」
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164. |
言ってやるがいい。「アッラーは凡てのものの主であられる。あたしがかれ以外に主を求めようか。」各人はその行いに対する以外に,報酬はないのである。重荷を負う者は,外の者の重荷を負わない。やがてあなたがたは,主の御許に帰るのである,その時かれはあなたがたの争ったことに就いて,告げ知らせられる。
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165. |
かれこそはあなたがたを地上の(かれの)代理者となされ,またある者を外よりも,位階を高められる御方である。それは与えたものによって,あなたがたを試・られるためである。あなたの主は懲罰する際は極めて速い。しかし,本当にかれは寛容にして慈悲深くあられる。
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